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1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/25(水) 23:17:46.58 ID:2AYpgkaZ0
某月某日

ユリカ「♪乱反射する眼差し 鏡越しに誰かが見てるの♪」

いちご「ユリカちゃん、入っていい?」

ユリカ「そういう事は、入る前に訊くものでしょ!」

いちご「えへへ。久しぶりに、ユリカちゃんがレッスンしてるところ見てたら入りたくなっちゃって」

蘭「最近は皆忙しくて、レッスンもすれ違いばっかりだからな」

ユリカ「そういう貴女達は、3人一緒じゃない」

あおい「さっきまで、一緒に仕事してたんだ。ラジオ番組の収録で」

2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/25(水) 23:19:03.41 ID:2AYpgkaZ0
いちご「それで、ユリカちゃんは何の練習してたの?」

ユリカ「アイドルライブフェスタのオーディションを受けるのよ」

いちご「アイドルライブフェスタ?」

あおい「えーと……どれどれ? 色々なアイドルが一堂に会する大型ライブイベント、か。
    人数制限はなし、申し込み期限までまだちょっとあるね」

いちご「私も受けたい! あおいも蘭も、一緒に受けようよ!」

あおい「言うと思った」

蘭「スケジュールは大丈夫だ、問題ない」

いちご「ねぇ、ユリカちゃんも一緒に」

ユリカ「嫌よ」
4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/25(水) 23:20:41.36 ID:2AYpgkaZ0
いちご「そんなぁ」

ユリカ「私はソロで受けるから、貴女達は3人で受けなさいよ。
    久々に3人揃っているのだから。ソレイユとして出てみればいいじゃない」

蘭「ソレイユ、か。すごく懐かしい響きだな」

あおい「でも、やっぱりしっくりくるね」

いちご「じゃあ、ライブフェスタのオーディションはこの3人で受けよっ!」

あおい「あれ、このライブフェスタの開催日って」

ユリカ「!
    話がまとまったなら出て行きなさい。レッスンの邪魔よ」

いちご「うん。またね、ユリカちゃん」
8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/25(水) 23:23:04.84 ID:2AYpgkaZ0
かえで「ストロベリーから聞いたよ。アイドルライブフェスタの話」

ユリカ「それで、どうしてわざわざ私の部屋まで来たのよ」

かえで「だって、よく見てみたらこのイベント、ぽわぷりのゲスト出演が決まってたから。
    楽しそうだし、あたしも受けてみようと思って」

ユリカ「だから、それでどうして私の部屋に来るのよ」

かえで「オーディション、一緒に受けない?」

ユリカ「はぁ?私は元々ソロで受ける予定だったのよ?
    それをどうして今更デュオに変更しないといけないのよ。
    貴女もソロで受ければいいじゃない」

かえで「持ち歌がないんだよねー……」

ユリカ「……」
9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/25(水) 23:24:47.39 ID:2AYpgkaZ0
かえで「ダイヤモンドハッピーはすっかりソレイユの歌になっちゃったしさ。
    Take Me Higherはトライスターの曲だし」

ユリカ「……仕方ないわね。そこまで言うなら」

かえで「一緒に組んであげると言ってあげないこともなくはないかしら、でしょ」

ユリカ「私の台詞を取らないで! 大体、私と組むなら曲は硝子ドール一択だけど、いいの?」

かえで「勿論! トライスターの時にユリカがソロで歌ってるの、何度も近くで見てたから。
    歌も振り付けもばっちりだよ」

ユリカ「貴女がアメリカのトップアイドルだって事、忘れてたわ。
    それじゃ、明日から空いてる時間に2人でレッスンね」

かえで「私の足を引っ張ったら血を吸うわよ?」

ユリカ「だから、私の台詞を取らないで!」
11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/25(水) 23:27:12.33 ID:2AYpgkaZ0
かえで「オーディションも無事合格したし、後は本番までレッスンあるのみっと」

いちご「かえでちゃん! 合格おめでとう!」

かえで「Hi!そっちも合格おめでと!」

蘭「あれ、ユリカは?」

かえで「オーディションの結果が分かったら、すぐに仕事に行ったよ。
    結構ギリギリだったみたい。そうまでして、このオーディション受けたかったんだろうね」

あおい「それなんだけど。かえでちゃん、アイドルライブフェスタの開催日、覚えてる?」

かえで「えーと、確か12月26日だよね。……って、あれ?」
13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/25(水) 23:30:27.45 ID:2AYpgkaZ0
あおい「さすが元同じユニットのメンバー、すぐにピンときた!」

蘭「いちごなんて、全然気付いてなかったからな」

いちご「蘭だって、あおいにヒント貰わないと思い出さなかったよね?」

蘭「それでも、自力で思い出しただけマシだ」

あおい「とにかく、12月26日はユリカ様の誕生日。
    本当は、おとめちゃんのところでささやかなパーティでもしたかったんだけど」

蘭「本人が進んで仕事を入れてるからな。ささやかだろうとパーティはできないだろう」

いちご「ユリカちゃん、どうして自分の誕生日に仕事入れちゃったのかな?
    まさか、忘れてたとか?」

あおい「それはないと思う。いちごじゃないんだから」


いちご「えー」
14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/25(水) 23:32:11.52 ID:2AYpgkaZ0
蘭「アイドルライブフェスタに出たかったからじゃないのか。
  結構大きな規模のイベントだし、歌の仕事はアイツの好きな分野だろ?」

あおい「多分、蘭の言う通りだと思う。
    ユリカ様のライブ、ファンの間でも人気だし」

かえで「それだけじゃないと思うけどなー」

いちご「かえでちゃん、何か知ってるの?」

かえで「Sorry、ユリカからは何も聞いてないよ」

いちご「そう?」

かえで「それじゃ、お互い本番までレッスン頑張ろう!」

いちご「あ、うん!」

あおい「かえでちゃん、何かを誤魔化してるって感じ。穏やかじゃないわ!」
15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/25(水) 23:33:53.76 ID:2AYpgkaZ0
ユリカ「このユリカ様を待たせるなんて、200年早いわよ」

かえで「ごめんごめん。ちょっと収録が長引いちゃってさ」

ユリカ「それじゃ、今日は振り付けのレッスンね」

かえで「ユリカがアイドルライブフェスタに出たいって思ったのは、ファンの為?」

ユリカ「ちょ……いきなり何を言い出すんですか!」

かえで「あ、超レアユリカ様だ」

ユリカ「ごほん。いきなり何を言っているのよ」

かえで「昨日、オーディションに合格した後でいちご達に会って、話したんだよね。
    ユリカがどうして自分の誕生日に進んで仕事を入れたのかって。
    蘭とあおいは、このイベントに出たかったからじゃないかって言ってたんだけど。
    それだけじゃないんじゃないかなって、一応あたしなりに考えてみたんだ」
16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/25(水) 23:37:37.21 ID:2AYpgkaZ0
ユリカ「へ、へぇ」

かえで「視線逸らしてるって事は、図星?」

ユリカ「……そうよ。でも、ファンの為だけじゃない。自分の為でもあるわ。
    学園に入って、アイドルになって、吸血鬼の私になって、ファンが増えて。
    そうしたら、誕生日を祝ってくれる声も、段々増えてきているの」

かえで「そりゃあ、スターライト学園のアイカツランキング上位者だからね」

ユリカ「貴女だってランキング上位でしょ。
    キラキラッターやブログで、おめでとうって言われる度に、思っていたの。
    本当にありがとうって。この感謝の気持ちを直接伝えたいって」
17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/25(水) 23:39:10.53 ID:2AYpgkaZ0
かえで「それで?」

ユリカ「アイドルライブフェスタのオーディションの知らせを見つけたのは偶々よ。
    けれど、この日付を見た時、これは絶対に出るべきだって思ったの。
    私が誕生日にライブに出るとなれば、きっとファンは見に来てくれる。
    そして、会場で直接おめでとうって言ってくれるわ。
    その声に、私は最高のパフォーマンスで応える。それが、一番の感謝の証だって思うから」

かえで「ユリカはすっごくファンを大事に思ってるんだね」

ユリカ「貴女には言ってなかったかしら。
    私の吸血鬼キャラを最初に面白いって言ってくれたのがファンなのよ。
    大事に思うのが当然でしょ?」

かえで「それじゃ、今度のライブ、最高のステージにしないとだね」

ユリカ「そうよ。ちょっとでもドジを踏んだら、血を吸うんだから」

かえで「うーん、ただ歌うだけじゃ物足りないし。水中からの脱出マジックでもやる?
    もちろん、脱出する役はユリカで」

ユリカ「断固拒否するわ!」
19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/25(水) 23:45:49.35 ID:2AYpgkaZ0
しおん「どうもありがとうございましたー!」

おとめ「とっても明るくてキラキラしたステージ、らぶゆー!」

しおん「アイドルライブフェスタ、ますます盛り上がっているわね」

おとめ「まだまだこれからなのです!皆さんもまだまだこれからですよねー?」

観客<これからでーす!

観客<ぽわぷりサイコー!

さくら「それでは続いての出演者の方々をお呼びしましょう!次は……」

おとめ「藤堂ユリカちゃんと一ノ瀬かえでちゃんですぅー!」

かえで(特別ゲストって、歌うゲストじゃなくて進行役だったんだ……)
20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/25(水) 23:49:37.42 ID:2AYpgkaZ0
かえで「Hallo!皆楽しんでるみたいだね!」

観客<ハーイ!

観客<かえでちゃーん!

ユリカ「ユリカ様も降臨よ!」

観客<ユリカ様ー!

観客<お誕生日おめでとうございます、ユリカ様ー!

観客<ハッピーバースデー、ユリカ様ー!

ユリカ「ふん。もう推定600回も聞いてきた言葉だから、飽きてきたんだけど。
    今日は特別に、血を吸ってあげても良くってよ?」
21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/25(水) 23:54:11.64 ID:2AYpgkaZ0
観客<キャー!!

観客<血を吸って下さいユリカ様ー!

おとめ「おとめも血を吸って欲しいですぅ!」

しおん「ちょっと!」

おとめ「もが」

さくら「それでは御二方、ずずいっとステージへお願いいたしまする~」

しおん「曲は、硝子ドール!」
22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/25(水) 23:57:57.14 ID:2AYpgkaZ0
かえで「ユリカの思った通り、ファン、来てくれてたね。良かった、良かった」

ユリカ「勿論、このユリカ様のファン達だもの。当然よ」

かえで「出番が終わっても、ライブイベントが終わるまで残ってるから、何かと思ってたんだけど。
    出待ちのファンの為だったんだね」

ユリカ「そういう事。さ、遅くなったし、寮に帰りましょ」

かえで「あー、待った待った! ちょっと寄り道していこうよ!」
23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/25(水) 23:59:33.69 ID:2AYpgkaZ0
ユリカ「寄り道って。私も貴女も暇じゃないんだから、今日はもう休んだ方が」

かえで「ユリカは分かってないなぁ」

ユリカ「何をよ?」

かえで「ユリカがファンに大事に思われてて、ユリカもファンを大事にしてるのは分かったよ。
    でも、もっと身近にだって、ユリカの誕生日をお祝いしたい人達がいるんだからさ」

ユリカ「まさか……寄り道って、おとめ御殿?」

かえで「Yes!大正解!」
24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/26(木) 00:01:02.89 ID:2AYpgkaZ0
いちご「ユリカちゃん、お誕生日おめでとう!」

おとめ「おめでとうなのです! 今夜はこれからラブでいっぱいなパーティをやっちゃいまーす!」

あおい「今夜は寝かさないから♪」

蘭「夜ふかしは程ほどにな」

さくら「蘭様の仰る通りですよ、おとめ様」

しおん「まぁとにかく、誕生日おめでとう」

ユリカ「皆……あ、ありがとうと言ってあげないこともなくはないかしら」

あおい「照れたユリカ様、頂きました!」パシャ
25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/26(木) 00:01:55.84 ID:2AYpgkaZ0
いちご「ちょうど良かった。さっき届いたばっかりなんだよ」

ユリカ「にんにくラーメン!?それも、にんにく大盛り!」

蘭「かえでと連絡取りながら、出前のタイミングを測ってたんだ。バッチリだったな」

かえで「これぞチームワークだね」

あおい「それに、私達が作ったケーキもあるよ」

おとめ「おとめ、いーっぱいおめでとうの気持ちを込めてクリームを絞りました!」

さくら「流石に、クリスマスパーティのような巨大ケーキとまでは参りませんが」

しおん「上に乗ってる『ユリカ様人形』は特注品だし。味は保証するわ」

ユリカ「……にんにくラーメンにケーキって。あまりない組み合わせだと思うのだけど」

かえで「誕生日くらい、素直に嬉しいって言ってもいいんじゃない?」

ユリカ「なっ!」
26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/26(木) 00:02:57.83 ID:k16au8rS0
あおい「いいのいいの。これでこそユリカ様なんだから」

いちご「そうそう。ユリカちゃんが喜んでるかどうかなんて、言わなくても分かってるし」

蘭「分かりにくいんだか、分かりやすいんだか」

さくら「ですが、やはりユリカ様はこうでなくては」

おとめ「おとめはどっちのユリカたんもらぶゆーです!」

しおん「そのキャラ作りの徹底ぶり、本当に尊敬するわ」

ユリカ「……もう!貴女達、いい加減にしないと血を吸うわよ!」

かえで「それじゃ、血を吸われる前に、乾杯しよう!」

いちごあおいおとめさくら・しおん・かえで「ハッピーバースディ!」

END
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